米原駅東口のすぐ近くで豆腐屋を営んでおります、北村晋也です。
当店も創業150年を越え私が父からバトンを受け取ってから30年が過ぎました。
父の時代は米原駅が栄えた時代で、電車を乗り換えるたくさんの乗客の方が、食事をされたり、駅弁を買い求めたり、当店も揚げや豆腐がたくさん売れていました。
近くに駅弁を作る大きな弁当屋があり、毎日たくさんのお揚げを納品していたと聞いています。
豆腐屋を取り巻く環境も激変し、全国、またここ滋賀でも豆腐屋は減少の一途です。
この中で私の豆腐作りにも変化がありました。
20代の時はとにかく大きな豆腐工場にしたい一心でした。
お得意さまも生協の豆腐をメインに製造し、毎日忙しく働いていました。
そんなある日、豆腐が売れるのは生協さんの看板があるからなのか?
一抹の不安が芽生えました。
そこで「自分で作ったものは自分で売る」努力が必要ではと考えるようになりました。
2012年に販売スペースのある工房をあらたに改築、豆腐屋の原点に帰って小売に重点をおくことにしました。
作っている我々が直接販売することによって、お客様の声を直接お伺いすることが出来るようになり、仕事のスタイルも大きく変わりました。
お客様とのなにげない会話の中から、より良い商品の改善点をお伺いできるようになり、また新商品のキッカケをいただけるようになりました。
現在、多くの人に豆腐の良さを知っていただくために、手造り豆腐教室を随時開催しており、出来立て豆腐の美味しさの感動を共有していだく活動にも力をいれています。
今後は、大豆の一株オーナーを募ることを計画しています。
オーナーには、米原市内にある当店の契約農家さんで、夏場に枝豆の収穫、秋には大豆を収穫してもらい、その大豆を使って手造り豆腐教室を行うことを考えています。
大地の恵みを受けた大豆、海の恵みを受けたにがり。
豆腐はまさに、自然の恵みがつまった食べ物です。
大豆がどんな場所で、どのように育っているのか。その大豆が作っている農家さんはどんな思いで育てているのか、食べていただくお客様はどんな思いで食べているのか・・・。
豆腐を通じて生産農家の方の思い、お客様との生産、加工、消費のサイクルを回し地元の豆腐屋としてお客様とふれあえることを常に心掛けております。